プロジェクトストーリー:究極クオリティを目指して!

海物語。

パチンコをする人はもちろん、パチンコをしない人でも、CMや街のポスターで見かけたことはあるだろう。

1999年に発表されるとたちまち大ヒット、全国のホールを埋め尽くしたパチンコ業界屈指の人気シリーズである。

IREMは、このシリーズの映像制作をずっと手がけてきた。海物語はシリーズを重ね、新プロジェクトもすぐに決まる。ヒットしたからこそのシリーズ化だが、だからこそ絶対に成功しなければいけない。プレッシャーも大きいが、それ以上にやりがいのあるプロジェクトである。


究極のクオリティアップ

 
 当プロジェクトを始めるにあたり、一番最初に飛び込んで来たワードは、「テーマは沖縄!」そして、「ワイド液晶による映像面強化」という情報でした。

 背景、モデル、キャラクターデザイン、エフェクトを効率良くクオリティアップするにはどうするか?
チーム結成当初から「映像のクオリティアップ」の取り組みに対し、一つ一つの答えを出していく日々が始まりました。



ディレクターK「では早速! 沖縄背景のクオリティについて、Wさんに当時の業務内容を語ってもらいましょう!」
デザイナーW 「それでは説明していきますね!」


背景クオリティアップ

 背景のクオリティアップは今作の大きな課題でもありました。
どんな方向性でクオリティを上げるのか、その方向性を達成するにはどうしたら良いのか。
 先ずは、達成すべきクオリティの共有を図るために、クオリティボード(※↓図1)の作成を行い、チーム全体のクオリティラインを決めて制作に取り掛かりました。
クオリティアップの一環として、今作ではリアルタイム背景から動画背景へのシフトチェンジを行っています。動画背景を作成する上で、リアルタイムでは表現に限界があった細かい波の動きや中遠景の立体感を出すために、カメラワーク含め幾重もの検討を行い開発を進めていきました。

 また、個々のクオリティアップ以外にも、他の演出が重なった際に情報を疎外する要素はあるか?
綺麗に動画を液晶に出力するにはどうすれば良いか? など、デザイン制作以外でも時間をかけて調整を行いました。

 シリーズ伝統の"リアルタイム背景"から"動画背景"に落とし込むことは容易ではありませんでしたが、背景が完成した時は何物にも代えがたい達成感がありました。

(図1:クオリティボード)

ディレクターK「カメラワーク設定ではミニキャラの立ち位置とかも気にしながらの制作 お疲れ様です!」
デザイナーW 「はい! 自信を持って世の中に送り出せると思いましたね!」

ディレクターK「続いては、キャラクターモデルや衣装のクオリティアップについてお願いします!」


キャラクターモデル及び衣装のクオリティアップ

 キャラクターの衣装デザインは、機種の顔になる部分ですので、前作を知っている方にも違和感なく受け入れて頂けるよう細かな調整を入れました。
 「これぞ沖縄!」と言って貰えるデザインにするため、数10種類もの衣装提案を行い、衣装の重ねからチラッと見えるフトモモや、胸元から見えるサラシ等、キャラクターデザイン担当の熱い想いが込められたフェチシズムも織り込んで今作の衣装が出来上がっています。


 自社製シェーダーの作成と法線マップを併用したリアルタイム用の質感表現UPも行いました。
アニメタッチと3DCGの溶け込み具合を再現するために、マテリアルの調整を開発中に何度も重ねていきました。

    

ディレクターK「フェチシズム・・・?(笑)」
デザイナーW 「熱い想いのことですよ!」
ディレクターK「なんと! 熱い想いが込められているのですね! 説明ありがとうございました!」

ディレクターK「続いてお馴染み演出のクオリティアップについてですね! ここからはOさんお願いします!」
デザイナーO「ここからは私Oが説明しますね~」


お馴染み演出のクオリティアップ

 今作ではリアルタイムレンダリングならではの表現を活かし、演出がスムーズに繋がる"シームレス感"の強化や、多彩なモーションを作成するための演技力の強化を行いました。

 シームレス感の強化では、プログラマーと何度も設計を繰り返し、"リアルタイムでどのタイミングでも違和感なく繋がる"形に落とし込むことが達成できました。


 モーションに関しては演技力UPのために、先ずは"どんなモーションにするか会議"を行いました。
「このモーションはこんな感じ!」と言いながら1モーションずつデジカメで動画をとる姿は、さながら海の中を泳ぐ主役(ヒロイン)のようでしたね。
その後は、モーションキャプチャスタジオでのアクターさんの動きでモーションの基礎が出来上がりました。

 本作品では、色んな方に遊技して頂くために、UI(User Interface)やアイコンにも細かな配慮がなされています。
初見でどんな文字/アイコンが表示されているのかを伝えるために、フォントの種類/サイズや、英字/カナ等、多方面から視認性を上げるための努力を行っています。
もちろん、視認性ばかりでなく見栄えも良くする必要があるので、文字やアイコンを立体化したり、質感を向上させることでのクオリティアップも図っています。

ディレクターK「モーションはキャラクターに命を注ぎ込む作業ですからすごい力を入れていましたよね!」
デザイナーO 「アクターさんに何度もお願いして納得の行くモーションを演技して貰いました!」
ディレクターK「本当に良いモーションが出来ましたよね! デザイナーの皆様本当にありがとうございます!」

ディレクターK「続いてクオリティアップを支えてくれるプログラマー側の業務内容も紹介したいと思います!」
ディレクターK「Hさんお願いします!」

プログラマーH「はい!ではそんな裏側をチラっと紹介しますね!」


クオリティアップの裏側の技術やアイデアと各グループとの連携

 プログラマーはデザインデータの提出を受けて、社内製コンバートツール、ライブラリを使用して組み込みを行いました。

 シリーズ機種ということで、過去機種がどうだったか、過去のデータ・制御と比較して仕様書に書かれていない詳細な部分も含めて、組み込みを進めていきます。
「実装したものが液晶に表示される時は楽しいよね。デバッグは大変だけど(デザイナー)」


 組み込みをスムーズに行うために、様々な準備を行いました。
その一つが、継続的インテグレーション環境を整備した自動化の推進です。

- ソース上の記載に問題が無いかをチェックするプログラム
- データチェックツール
- 高速でシミュレーションを実行し、問題を発見するプログラム

 また、必要なツールを自ら作れるように勉強も欠かせません。(毎月交替で講師をし、勉強会を実施しました)
「あのときプログラマに作ってもらったデータチェックツールに命を救われました(デザイナー)」

 開発中盤になると、大量のデータが提出され、プログラマも人員を増やして対応に追われます。
ここで問題になるのが、ブルックスの法則。人員の増加は、チーム内のコミュニケーションコストを増大させます。
メール、チャットツール、口頭連絡を使い分け、社内製Webベースのデータ提出管理ソフトウェアを利用し、デザイナー、プログラマー間の連絡を密に取り、作業漏れの無いように進めました。
また、メンバー増員時の歓迎会(ランチ)や、ROM提出後の打ち上げ(沖縄料理)でも結束力を高めていました。

ディレクターK「過去の仕様との照らし合わせや、仕様の抜けなど色々な箇所を指摘して頂けるのもプログラマーさんがいたからこそ!本当に感謝します!」
プログラマーH「複雑な仕様の落とし込みもして頂けるのでもちつもたれつですね!」
ディレクターK「そういえば行きましたね!沖縄料理!」
プログラマーH「やっぱ本場を知らないとね(笑)」


最終変更とチームワーク

 プロジェクト終盤では、関係者での試打会が開催され、ストレートで厳しい意見が飛び交いました。
より面白くするためには、どうすれば良いのか?
現行の演出をもっと活かすためには、どうすれば良いのか?
長時間に渡る会議で様々な提案が行われました。
開発後半はクオリティアップが行える最後のチャンスですから、デザイン/プログラマ/企画共に最後の力を振り絞って開発を行いました。(この時期になるとドーナッツやカ○リーメイト、ファイブ○ニの差し入れが増えてきます。)
結果、ギリギリ迄調整を行うことで、皆様に愛される機種が完成しました。

ディレクターK「モグモグ・・・ホールでお客さんがプレイしている姿を見ているとやってヨカッタって思うよね!」
デザイナーW 「モグモグ・・・そうだね!」
デザイナーO 「モグモグ・・・苦労が報われた瞬間ですからね!」
プログラマーH「モグモグ・・・沖縄旅行またいきたいな~!」


開発を終えてメンバーから一言

ディレクター Y.K.
開発していていつも思うのは、「妥協しない気持ち」だなと思います。ここで諦めてもいいけど、ここで折れたら打ってくれる人に失礼だと思って開発をしてきました。だからこそ、自分の携わった機種がホールに設置されるのを見ると誇りに思うし、次の機種はもっと面白くしてやろう!って気持ちになれます。

プログラマーY.H.
新しいハード、新しいツール、新しい演出。色々なことがありましたが、一重にチームメンバー、関係各所のお力添えがあったからこそ完成したプロジェクトだと思っています。

デザイナーK.W.
シリーズ機種としての集大成を完成させました。これを超えなきゃいけない次機種は大変だと思います。

デザイナーK.O.
苦労が多い分、達成感も大きいプロジェクトでした。今回得られたものを今後の機種にも役立てたいです。


外伝

沖縄旅行の話(ディレクターY.K.)
 本プロジェクトを遂行する上で、現地でのロケハンを行うことは急務でした。決して郷土料理目当てでは無く、決してマリンスポーツをエンジョイしたいワケではなく、プロジェクトのために行くべきだと判断しました。
アグー豚やロブスター…ダイビングにフライボード…ついでにテクスチャ素材の撮影。何れも開発に活かせているので実機でチェックしてみてください。本当ですよ!?


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