Y.K.
メディア画像学科
2012年キャリア入社
名古屋スタジオ
企画開発グループ
ディレクター
一言
映像を作る前に俺たちはパチンコを作ってるんだ!
M.S.
情報メディア工学科
2009年 新卒入社
名古屋スタジオ
ソフト開発グループ
プログラマー
一言
みんながワクワクするものを作る!
S.I.
マルチメディア科
2015年キャリア入社
名古屋スタジオ
デザイン開発グループ
デザイナー
一言
こだわりが爆発した結果が世のパチンコなんです
K.T.
電子情報工学科
2014年キャリア入社
名古屋スタジオ
サウンド・ランプ開発グループ
ランプエンジニア
一言
鉄球による焦燥遊技
それすなわちPACHINKO!!
キックオフ
まずはキックオフ会議で、当プロジェクトでやりたいことや映像・サウンド・ランプの表現について、クライアントと話し合います。
一番大切にしなければならないことを話し合った結果、出来たキーワードは「進化感!」「斬新感!」そして「安心感!」。
進化感や斬新感というのは、過去機種を超える映像アイデアによって生まれます。
そして安心感というのは、過去機種から打っていただいている方に「違和感」を与えないという事で生まれます。
「斬新な変化」と「従来の安心感」が高次元で融合した「究極進化」を目指すところから当プロジェクトはスタートとなります!
①究極進化「背景」
②究極進化「演出」
③究極進化「バーサライター」
④究極進化を裏側で支えるプログラマー
⑤試打会そして完成へ!
K 「当プロジェクトデザイン担当のIさん!よろしくお願いします!」
I 「それでは説明して行きますね!」
①究極進化「背景」
本作では、前作から引き続き、日本の厳選した名所を採用しています。前作からの進化感を生み出すために、前作と同じ場所の背景をいかにクオリティアップするかが大きな課題でした。
「三保の松原」もその1つです。前作をどうやって超えるのか、検討を重ねクオリティボード(図1)を作成して構成物や構図、クオリティの方向性を決定しています。
ここが完成に向けたスタート地点。
完成までの道のりは長く険しいものでした。
まずはリアリティの追求です。そのために、写真や映像、実物を元に研究し、フィードバックしています。
富士山、木、海、地面、雲…など、様々な画面を構成するオブジェクトは幾度も調整を重ねてリアリティを追求しています。
特に波打ち際の水の表現は、研究の成果が上手く出せているのではないでしょうか。
そして、レイアウトも細部に至るまでこだわり抜いています。
前作よりもよりダイナミックなカメラワークを目指し、富士山を中心とした松や桜の配置からカニの配置に至るまで幾度もテストを繰り返しました。
どこのタイミングを切り取っても立体感、奥行き感、構図の美しさを生み出すため、調整に多くの時間を割いたポイントでした。
こだわりの強いチーム員も多いため、細部に至るまで「あーでもないこーでもない」と議論を重ねて完成させています。
その苦労のかいもあって、自信をもって世に送り出せるものを生み出せたと自負しています。
前作 | 本作 |
②究極進化「演出」
海物語では3Dキャラの演出が主流ですが、それとの対比で新規性を与えるために本作では一部演出に2Dキャラを採用しています。
例えば、前作も搭載していた「豪華絢爛リーチ」では、荒々しい波が特徴的でしたが改めて見ると無機質で寂しい印象がありました。
そこで本作では、荒々しさよりも2Dキャラを登場させて華やかさを出す方向性で演出を構成しています。
更に奥行き感と勢いのあるカメラワークや、画面全体に金を散りばめた豪華な背景構成により、
リーチのアツさに見合った豪華さを前作よりも表現出来ているのではないでしょうか。
2Dキャラ自体は新しいものではありませんが、プラスアルファの表現を盛り込むことで「豪華絢爛リーチ」を進化させました。
前作 | 本作 |
K 「細部までのこだわりを感じますね!」
I 「通常背景は遊技者がまず目にするところですから、かなり気合が入りました!」
K 「説明ありがとうございました!」
K 「続いて当機種の特徴でもあるバーサライター!ここからはTさんお願い致します!」
T 「ここからは私が説明しますね~」
③究極進化「バーサライター」
バーサライターの究極進化ポイントですが、何と言っても解像度が高くなったところです。
前作よりも繊細な表現が可能になっていますので、是非とも注目していただきたいです!
そんなバーサライターですが、データ制作手法に関しても飛躍的に進化を遂げています。
バーサライターは、実際に回転させて点灯させなければ映像の確認はできません。
つまり、通常のデザインデータのようにパソコンのモニター上でデータの調整が完結しないんです。
また、回転させることを考慮してドットを打つのは、いかなるドット職人でも音を上げると言われています。
更に、演出ボリュームは前作を上回ります。当然、クオリティアップも必要です。毎度ながら、制作期間に余裕はありません。
クオリティアップは遂行する。労働時間も守る。両方やらなくっちゃあならない!ってのが開発者のつらいところです。
この状況はヤバい、どげんかせんといかん!と思いまして、バーサライターデータ作成ツールを探したのですが、そんなニッチなツールは見つかりませんでした。
ツールがないなら作れば良いじゃない!というのがアイレム流。すぐさまバーサライターデータ作成ツールの制作に取り掛かりました。
ツール制作は、サウンド・ランプ開発グループ!(ソフト開発グループじゃないんか~い!!)
慣れないプログラムを必死に組みました。元気と情熱があったのでなんでも出来ました。
このような、ねだるな勝ち取れ的な展開で与えられたのが、パソコン上でのビューイングと編集が可能となる夢のツール。その名もバーサエディタ!!
このバーサエディタの爆誕により、究極進化したバーサライターを世に送り出すことができたのです。効率化がいかに大切かがわかるエピソードですね。
究極進化を遂げたバーサライターに映し出されるのは全て楽しい映像となっていますので、ぜひ皆さんホールでコンプリートを目指してください。
K 「どげんかせんといかん!から無ければ作ればいいじゃないまでの流れはやはりアイレムならではですね!」
T 「自由な発想が出来、実現できるところがアイレムの強みでもありますからね!」」
K 「今回のバーサライター是非ホールでも体感したいですね!」
K 「続いてクオリティアップを支えてくれるプログラマーの業務内容も紹介したいと思います!」
K 「Sさんお願い致します!」
S 「はい!進化の裏側を紹介しますね!」
④究極進化を裏側で支えるプログラマー
プログラマーはデザインデータの提出を受けて、社内製コンバートツール、ライブラリを使用し、実機への組み込みを行います。
仕様書に沿って表示物を切り替える制御を実装、液晶画面に表示させていきました。
シリーズ機種ということで、過去機種がどうだったか、過去のデータ・制御と比較して仕様書に書かれていない詳細な部分も含めて、詰めて行きます。
本作では、最新のハードウェアと最新の開発システムを使用することになりました。
まずはそれらの特性を掴み、従来の開発フローや開発補助ツールを追従させるなど、開発環境の整備からはじめることになります。
社内のシステム開発部門の全面協力を受けながら、開発中も様々な試行錯誤とフィードバックを繰り返して最適な開発環境を目指しました。
また、究極の進化というテーマのもと、未曽有の仕様ボリュームを企画から提示されたので(汗)、
チーム構成としても最大・最高のメンバーを集めて開発に臨みました。
大勢の人が関わるプロジェクトのため、各メンバーへの指示伝達やメンバー間のやり取りをいかに効率化するか、という点に着目し、
従来主流であったメール連絡だけにとどまらずさまざまなツールや仕組みを新たに取り入れ、開発効率の向上に取り組みました。
プログラミングをするのがプログラマーの仕事だと思われるかもしれませんが、
こういったプログラム以外の工夫で作業効率が上がっていくのを実感することもやりがいがあると感じます。
K 「新規ハードでの開発本当にお疲れ様でした!そして新規ツールの提案と提供本当に効率化に繋がりました!」
S 「多くの人の助けがあったからこそ、やれたと思います!」
K 「プログラムだけが仕事ではないですからね!皆のためですよ!」
S 「チームを支えて頂き、本当にありがとうございます!」
⑤試打会そして完成へ
プロジェクト終盤になってくると、何度か試打会が開催されます。
前作からの進化感は十分か、違和感なく、安心感を持って遊技できるかなど、厳しい意見が行き交います。
より究極に楽しく、究極に進化を見せるための最後のチャンスです!
デザイナー/プログラマー/ディレクター/サウンドエンジニア/ランプンジニアそれぞれのメンバーが最後の力を振り絞り、
挙がった意見を反映させながらさらなる改良を重ねていきます。
少しでもよくなると判断すれば、納期間際でも映像の差し替えを行いました。
本当にギリギリまで究極を追求しました。
K 「ホールでお客さんが熱く打っていたり、ガッカリしたり、笑顔になったり、そんな姿を見ているとまた頑張ろうってなるよね!」
I 「こだわったところが評価されると更に嬉しいですね!」
S 「苦労が報われた瞬間だよねー!」
T 「本当にたくさんの人に協力して頂いたからこそですね!」
開発を終えてメンバーから一言
Y.K.
この記事を書くのも2回目となりました。
前回、私が書いたコメントを改めて見ましたが、やはり気持ちは変わらないなという事に誇りを持っております。
手を抜いたことは、誰にも気づかれないかもしれない。でもそれはきっと遊技者や機種に対して失礼だと思っています。
だからこそ、これからも妥協しない究極の映像を皆様にお届けしたいと思います。
M.S.
モノ作りにおける産みの苦労を味わった開発でしたが、その分うれしさも倍増です。
様々な人の支えで完成させることができたので、皆様に最大限の感謝を。
S.I.
紆余曲折ありながらも、飽くなき探求心を持って挑んだチームメンバーの努力によって完遂できたプロジェクトでした。
K.T.
苦労が多い分、達成感も大きいプロジェクトでした。
今回得られたものを、今後の機種にも役立てていきたいです。
外伝
九州視察 |
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著者:Y・K氏 |