スペシャル対談:匠を支える匠。

IREMには、「匠」を支える「匠」がいる。

クライアントのパートナーとして、それぞれの専門知識と技術を駆使し、遊技機映像開発を行う企画、デザイナー、ソフト開発者は、もちろん「匠」と呼ぶにふさわしい。しかし、開発環境の整備やデザインツール開発などを行い、遊技機映像開発を支える「システム開発」のエンジニアも、紛れもなく「匠」である。

こうした開発環境に特化した機能を持つ企業は、競合他社はもちろん、ゲーム・映像系の制作会社においてもほとんどない。


現場を支える「匠」。

M.K.は石川スタジオに所属。ここで、3D・2D・オーサリングの各エキスパートである主任と、デザイングループの技術向上を図るさまざまな取組・場づくりを行っている。

その一つに社内技術セミナーがある。「内容は、3D・2D・オーサリングなどDCCツールの技術取得や、構図・絵づくりなどの知識を学ぶものとさまざまですが、どれもとことん実践的です。例えば『効果的にMayaを使う方法』とか『迫力ある構図を生むには』とか」。現場のニーズをタイムリーに反映しているのも特徴で、開発環境に慣れていない新人や若手の意見を反映して、あるいは、ベテランが「これだけは身に付けてほしい」と判断したりしたときに開催される。

最低でも月1回、多いときは4、5回行われることもある。「頻度の高さは、メンバーの向上心の表れですから、うれしいですね」。また、ベテランが若手に教えるという形式が多く、世代やプロジェクトを越えた交流の場にもなっている。


原点は、現場で経験した壁。

M.K.は、開発ツールの導入検討なども行っている。

「日進月歩の開発ツールですが、導入すれば必ず効果が出るわけではありません」。現場の意見を重視し、真に効率的なツールのみを選択するよう心がけている。「上司とも相談しますが、『とにかく現場をどんどん良くしていってくれ』と言われているので、割と自由にやってます」。


M.K.自身、機種開発に7年以上携わった。納期が厳しい中で高いクオリティが求められるものの、人的リソースがいつでも潤沢にあるわけではない――そんな現場で、いくつもの壁に突き当たった。「それを、越えてきた経験があるから、今、現場を支える取組を考えることができるのかなと思います」。


全社的な仕組をつくる「匠」。

徹底した現場主義、ボトムアップがIREMの風土。そのため、基本的には、M.K.の例のように現場の改善も現場主導で行われる。しかし、機種開発フローの本流に関わるものや、全社的に統一化・標準化すべきものは、より俯瞰した視点が必要だ。

システム開発のトップとして、各拠点で出された意見などを吸い上げ、検討・判断、全社的な取組を進めるのがK.N.である。市況や業界トレンド、競合メーカーの動き、コストとの兼ね合いも勘案しながらのハード提案、IREM技術部門における社外的な折衝もK.N.の役割だ。

「判断・決定を行う立場にありますが、社内には、ゲーム、モバイル、組み込み系、あるいは、システム工学・開発手法などに強い『その道のプロ』がたくさんいます。そういった知見を集めて、それに、IREMの現状や規模などを見ながら、決断することが多いですね」。


システム開発が生まれた背景。

「開発体制とスキルの標準化・平準化が、システム開発設立のそもそもの理由です」とK.N.。IREMが、まだ大阪・石川の2拠点だった時代、プログラマーは機種開発をしつつ、ツール作成やプラットホーム構築も手がけていた。

しかし、映像制作のボリュームが増える中で両立は難しくなる。「機種開発が好きな人も、プラットホーム開発に関わりたいという人もいますしね」。こうして、K.N.を中心に技術力の高い3、4名がコアメンバーとなり、システム開発の前身である開発支援グループが発足した。

「若手中心のIREMですが、機種開発でいろいろな経験を積んでいます」とK.N.。自身、もともと機種制作のプログラマーとして入社、数機種を担当してきた。K.N.を始めとするシステム開発メンバーが打ち出した数々の取組も、各自の現場での工夫や経験をもとに生まれたものだ。

現在は、次のような開発環境を実現している。


現場ニーズに即応できるツール開発。

現在IREMでは、M.K.のようにデザイナーから転身したメンバーがデザイナー目線で開発を行う体制を確立、プログラマー側の意見も理解したうえで、よりよい機能開発のアイデアや提案を行っている。また、機種開発の現場が、UIの要望も含め詳細なツール開発をシステム開発に依頼するなど、機種開発とシステム開発のコミュニケーションは、円滑かつ双方向である。

その結果、初回時からツールの完成度は高く、開発やデバッグの時間も大幅に短縮された。現場がすぐに運用を開始できるツール開発の体制が、高品位の機種開発を可能にしている。


After Effectsを中心としたオーサリングワークフロー。

すべての組み込み作業をAfter Effectsで行う、独自オーサリング統合環境も実現。

作業者は特殊なルールを覚えることなく作業を進められ、また、必要最低限のマニュアルと自社プラグインによる開発で、作業時間は極限まで短縮されている。これにより、エフェクト作成・尺・アニメーション調整など、ユーザーの「楽しい」に直結するクリエイティブな作業に工数を確保できている。

さらに、After Effectsのほぼすべてのパラメーターを、自動的に実機データに実装できるツールのお蔭で、実写やアニメーション業界出身者でも、AEデザイナーであれば即実践的な開発が行うことができる。


リアルタイム3D機種開発における総合開発ツール。

リアルタイム3D機種開発においては、市販のツールではなくIREM独自開発の総合ツール「IIDS」が用いられている。遊技機の映像制作は、同じ演出内で非常に多くのパターンを持つことになるが、IREMは、デザイナー寄りのUIを持ち、プログラミングの一部を請け負うツールを開発。デザイナーがパターンの切り替えを設定し、実機にコンバートできる。これにより、従来の開発に比べプログラミング工数を大幅に削減できた。
遊技機映像開発に特化した総合ツールは、デザイナーの細かなデータ管理にも及ぶ。Subversionによるデータのバージョン管理、核となるデータに紐づいた細かな画像の一括削除・管理が行えるため、手動開発時の実機上のゴミの発生、データ消去・上書きなどのヒューマンエラーは、限りなく0に近い。


クリエイティブな作業だけを行う環境を実現したい。

システム開発の重要性は増すばかりだ。

「遊技機のライフサイクルは早くなっています。これまでは一台で何週間もホールを運営できましたが、今は、月に何台も購入しないとホールにお客さんが入りません」とM.K.。IREMでも、一度に何十という開発プロジェクトが走るようになった。


「映像も、演出が少なかったり、クオリティが低ければすぐに飽きられてしまいます(M.K.)」。サイクルが早い中で本数をこなし、同時に品質向上も実現していくには、システム開発が情報共有や共通化をさらに進め、タイムリーに開発環境を進化させていくことが不可欠なのだ。

現在、システム開発では、統合マルチプラットホーム化を進めようとしている。現時点でも、全拠点のプラットホームは統一化、社内だけではなく協力会社へも、素材だけでなく組み込みも含めソフト開発を依頼できる体制を持つが、これをさらに進化させ、例えば、他業界向けのチップでも高いクオリティで機種開発ができるようにするのだ。

「究極には、機種開発のメンバーが、クリエイティブな作業にすべての時間を割ける環境を実現したい」とK.N.は言う。


「壊す」という役割。

また、K.N.は、ボトムアップが根底にあるからこそ生じる、「やりたいこと」の微妙なブレを調整し、力を結集できるようにしたいとも語る。
M.K.も「意識づくり」を考えている。誰しも、キャリアやスキルを身に付けると、手放すのは怖くなる。「けれど、人を喜ばせ、楽しませることに携わっている以上、新しいことに目を向け、世の中の変化を見据えて、挑戦し続けることは必要です」。

これまでの正解や慣習を超えて、一歩踏み出す。そんな風土をつくっていきたいとM.K.は言う。

「社内には、上期下期で目標を設定する機会があり、世の中の方向性を見ながら、自分は何にチャレンジするか目標を立てることができます。ただの精神論に終わらず、そうした仕組みを活用しながら意識改革を進めていきたいですね」。現在ベストとしているワークフローにももう一歩踏み込んで、時代や環境を考慮しながらより効率的なフローを再構築したいと言う。「『壊す』って、システム開発の大事な役割だと思うんです」。

例えば、全社的な一体感。チャレンジャブルな風土。システム開発が実現するものは、単なる環境づくりではないのだ。システム開発の打ち出すさまざまな取組が、IREMをさらに進化させていく。

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